第17章 うちはの里を作っちゃおう2
「そのまま、伸ばせばいいじゃないか。」
「…へ?」
まさかまさかの。
イタチからの意見が出た。
「エニシは長い髪が似合うと思うが?」
少し小首を傾げる天然のあざとさにどきりとして思わず固まった。
「イタチは長い髪の子が好きなの?」
先生がベストタイミングで会話を繋げてくれる。
「特に好みはありませんが…。エニシの場合は、と思うだけです。」
あくまでも淡々と言ってるから特に意味はないんでしょうね。えぇ、ないんですよきっと。
だってイタチだもん。
心臓に悪いわ…。
私はもう一度自分の髪を掬ってしげしげと見る。
…毛先は大分傷んできているね。
一度切り揃えた方がいいかもしれない。
確か今流行りのヘアオイルが雑貨屋さんに売ってたかも。
それに髪にいい薬草があったから、それでオリジナルトリートメント作ってもいいかもしれない。
あとは…なんて考えてたら止まらなくなっていつの間にか一人の世界に入っていた。
「お〜い、寝るよ〜。」
先生に声をかけられた頃にはオセロはとっくにお開きになっていて、私は慌てて寝袋に入った。