第17章 うちはの里を作っちゃおう2
「鳥は、籠の中より大空の方がのびのび出来るだろう?」
そう言ってイタチを向いた彼の顔はいつも通りの笑顔で、さっきの様子が嘘みたいだった。
そんな彼にイタチは痛みを覚える。
「シスイ…。」
兄としての想いはイタチにも痛い程共感できるから。だが、出来るからこそどんな言葉も薄っぺらくなってしまう。
不確定で危うい一族の運命に、安寧の言葉はあまりにも不釣り合いに思えた。
シスイはイタチを慮ってか、困ったように笑った。
「その鳥は、中々にじゃじゃ馬でな。いっそのことここを箱庭にしたら少しは落ち着くかな。」
シスイが戯けてるのに合わせて、イタチも痛みをしまいこみながら、ふっと笑う。
「頭のいい鳥だろうから、空に放ってもいずれはここに帰ってくるだろう。」
「なら、うんと住みやすく居心地を良くしとかなきゃな。」
二人は未来の里に想いを馳せて笑った。