第17章 うちはの里を作っちゃおう2
カカシとテンゾウとエニシで作業をしているところを、イタチは少し離れた所で見ていた。
時にカカシと戯れているような様子を見ると、不思議ともの寂しいと感じてしまってイタチは少し困惑してしまう。
「どうしたんだ?」
シスイから声をかけられて、イタチははっと我に帰った。
「…いや。エニシは誰とでも仲が良くなるな。」
「そうだな。昔の引っ込み思案が嘘のようだ。」
シスイも横に並んでエニシを眺める。
「幼い頃は違ったのか?」
「まぁな。体を動かす事は好んでやってたが、人見知りが激しくてな。あまり知らない人と話をしたがらなかったんだ。」
「想像がつかないな。」
「俺ももう思い出せないよ。」
シスイが言うと、イタチはふっと笑った。
暫しの沈黙が流れた後、イタチは徐に口を開く。
「エニシには、うちはは狭いんじゃないだろうか…?」
何気なく突いて出た問いだった。
凝り固まった概念の中、上に立つ者の意思に従うのが暗黙の了解で、その者達の意にそぐわなければ恥知らずだと叩き出される。
エニシが会合を叩き出されたように…。
「俺も…そう思ってる…。」
小さく悲し気なシスイの声に、イタチはばっと彼を見上げる。
「あいつは、うちはにいない方がいい…。」
眩しそうな、それでいて寂しそうな横顔にイタチは目を瞠った。
いつも泰然としている彼のそんな表情は初めてだ。