第17章 うちはの里を作っちゃおう2
この為に、土遁の術を幾つか開発してみたの。
掘削機要らずの地面をひっくり返す術よ。
その名も、
「土壌返しの術!」
「まんまだな。」
えぇ。先生のご指摘通り、何の捻りもございません。
多めにチャクラを練り一気に放出すると、半径五メートルくらいの土壌が沸騰したようにぼこぼこと泡立って、次々と木が根本から掘り起こされてひっくり返っていく。
それに混じって大小様々な岩や石も顔を出した。
チャクラ消費としてはそれ程影響はないし、次はもっと練っても問題なさそう。
「これいいな。俺にも教えてよ。」
「いいですよ。」
「僕も知りたいんだけど、いい?」
「もちろん。」
カカシ先生とテンゾウさんが気に入ったらしい。
その場で印を教えてコツも伝えておく。
先生達が練習してる間にスコップやレーキを巻物から出して並べておいた。
あとは、と周りを見回してると少し離れた所で兄ちゃんとイタチが話しているのが見えたからそこに近づいて行く。
大工さんと相談しながら作成した家の見取り図と配置図を見ながら、あれこれと話してるから私もそこに加わった。
「ここから印を付けた向こうの木まで掘り起こせば、手が空いている者が次の作業に移れそうだな。」
「細かく区切りながら整地していけば、他の作業をしているうちに地固め出来るだろう。」
「私は水道管と下水管をこの見取り図に沿って張っていけばいい?」
兄ちゃんとイタチに確認を取ると、二人は配置図と現地を見比べる。
「その前に一度ロープで印を張ってからの方がいいだろう。」
「そうすると、一度土壌返しだけは広範囲にやった方がいいのか。」
イタチの意見に兄ちゃんが合わせる。
だけど、一気にやると疲れるし土が硬くなりそうな気がするんだよね。
「ロープ張ってみて邪魔な木があったらそこだけ引っこ抜いたら?」
「そうだな。そうすれば一気にやらなくて済むだろう。」
兄ちゃんが言うと、イタチも頷く。
「取り敢えず、ここら辺の木や岩を撤去しなきゃね。」
というわけで、地道な作業が始まりました。