第17章 うちはの里を作っちゃおう2
ぱんぱんと、控えめに手が打ち鳴らされて、そちらを向くと兄ちゃんだった。
「話を進めましょうか。」
あ、そうだった。
私はさっきの再現の如く、両手でがしっとテンゾウさんの手を握る。
「どうか!どうか!テンゾウさんの力を貸してください!よろしくお願いします!!」
テンゾウさんは片手で赤面を隠したまま私から視線を逸らしてしまう。
ちくしょう、価格交渉か?
「謝礼が十二万で少ないなら…」
「十万で!!十万で十分だから!!」
視線が戻ってきた。
おっと…?ってことは!?
「引き受けてくれますか?」
「…わ、分かった。やるよ…。」
覗き込む様にしてそろっと聞くと、かなりの葛藤を見せながらもゆっくりと頷いた。
交渉成立…?だよね!?
「ありがとう!!テンゾウさん!!」
私は握りしめていた手を大きく振った。
やったあぁぁ〜!!
「押し切ったね。」
「押し切りましたね。」
「あの真っ直ぐさは少し羨ましい気もするな。」
カカシ先生、兄ちゃん、イタチがそんな事を言いながら笑い合っていた。