第17章 うちはの里を作っちゃおう2
「そうだったのか…。謎が解けてスッキリしたよ。」
「左様でっか…。」
えぇ…。
結局、うちはのことから先生の事、テンゾウさんの事までゲロっちまいましたよ…。
自分の性格が恨めしい…!
そして、目の前の爽やかな笑顔が憎たらしい。
「テンゾウさんは”信じない”って言わないんですね。」
ちょっとブーたれながら思った事がついて出た。
そしたら、テンゾウさんは困った様に柔らかく笑う。
「支離滅裂だったら言うけど、君の場合は概ね筋が通ってるし、人が知らない事を知ってたりするからね。嘘だと断定するには至らないよ。」
「意外な感じがします。」
うちはを敬遠してたとは思えないよね。
「そうかな。鵜呑みには出来ないけど、感情論みたいには言わないよ。例えば幽霊だって、いる人にとってはいるし、いない人にとってはいない。人によって真実なんて如何様にも変わる。君の記憶だって客観的証明は出来ないけど真実なんだろう?」
私は呆気に取られて、テンゾウさんを見上げて言葉も出ないまま頷いた。
そんな風に言われたのは初めてだった。
この人、凄く包容力のある人なのかも。
「テンゾウさん、カッコいい…。」
「…っ!?いやっ、えっ!?」
「良かったな〜テンゾウ〜。」
「先輩まで…!揶揄わないでくださいよ…!」
「かわいいとか意外なギャップですね。」
あはは。凄い顔真っ赤だ。
言ったら、少し拗ねてしまった。
本当に可愛いのに。
「揶揄うなんて酷いじゃないか。」
「いやいや全然揶揄ってませんて。全部本音です。」
「もっとタチが悪いよ…!」
遂に顔を隠す様に両手で覆ってしまったテンゾウさん。
「なにゆえ…。」
タチが悪いの意味が分かりません。