第17章 うちはの里を作っちゃおう2
はっとテンゾウさんを見ると、その顔がみるみる驚きに変わる。
やべぇ…。
私が握っていた手をそろりと離そうとしたら、逆に掴み返された。
に、逃げられない。
「前世ってどういう…?本当にそんな記憶が…?」
私を見つめる半信半疑の顔が徐々に確信めいたものに変わっていく。
まずい、誤魔化せないよ…!
「あの、そのですね…」
「もしかして僕の勘違いじゃないなら…、カカシさんを”先生”って呼ぶのって、その前世が関係して…る…。」
私の顔で何かを悟ったテンゾウさんの顔が驚きに変わる。
「じゃ、じゃあ、木遁の事を知ってるのも…。…そうなんだね。」
「わあああぁぁぁぁ!!私の顔で会話するのやめてええぇぇ!!」
もう全力で叫びながらぎゅっと目を瞑ってしまった。
「我が妹ながらアホすぎる…。」
ごめんよ、兄ちゃん…。
頭を抱えた兄ちゃんに、先生は苦笑しながら宥める様に肩を叩く。
「エニシらしいといえばらしいけどね。」
「もしかして…態と?」
兄ちゃんが胡乱気な目を向けると、先生は少し肩をすくめた。
「その方がテンゾウを引き込むにはいいと思ったんだよ。秘密の共有は蜜の味ってね。」
「そんな事で仲間意識が芽生える、と?」
イタチが半信半疑の様子で少し首を捻るのを見て、先生がふっと笑った。
「仲間になるきっかけなんて、案外と些細な事なんだよ。」
「それで、どういうことなんだい?」
先生達の会話もそっちのけに、テンゾウさんは一人我関せず私に迫りまくっている。
「こ、降参…。」
どうすりゃいいの、これ。