第17章 うちはの里を作っちゃおう2
「開き直ればいいってものでもないよ?」
「それよりもテンゾウさん、是非とも家屋建設の件、引き受けてもらえないでしょうか?お願いします!」
ここは引くより押せ押せよ。
私は鷲掴むように両手でテンゾウさんの手を握り、真剣な顔で訴えた。
仰け反った分、私は更に距離を詰めていく。
「いや、そんなこと言われても…。」
「もちろん謝礼は弾みます。十万両でどうでしょう?」
「じゅ、十万両!?」
「少ないですか?なら…」
「逆だよ逆!そんな大金…」
「でしたら、十二万両でどうでしょう?」
「増えてるんだけど!ねえ、増えてるよ!?」
「まだ少ないで…」
「僕の話聞いてる!?聞いてるよね!?」
「じゃあ、引き受けてくれますか?」
まるでゴリ押しだけど、この際構ってはいられない。
「…ねえ、俺は?」
カカシ先生の声に、首だけ振り向いて応える。
「カカシ先生はテンゾウさんの紹介料+里の整備手伝いとして一万両でお願いします。」
「いや、そこは五万で。」
「じゃ二万。」
「四万。」
「二万五千。」
「…ま、いいか。乗った。」
「よっしゃっ。」
「あれ、まだ吊り上げられたかな。」
「残念、もう決定で〜す。」
ちっちっちっ。
人差し指を立てて揺らせて見せる。
「相手の要求を見越して小出しに吊り上げてくのが交渉の肝ですぜ。」
先生を出し抜けたぞ〜♪
うふふ♪渋い顔が優越感を唆るわぁ。
「どこでそんな事覚えてくるのよ。」
「前世、テレビでやってた。ドラマの知識ですけどね。」
「…前世?」
そうそう、前世。
って答えそうになって、思考が止まった。