第16章 幕間
「ふむ…。」
丁度今は任務帰りの休憩だ。
襲撃の可能性は限りなく低い。
マスクの下は正直どうでもいいが、これに便乗する形で、カカシさんと実践方式に模擬戦が出来るのは得である。
「目眩しとして、小豆のお手玉も作ってきました。」
巻物からどどんとお手玉の山が現れる。
感心していいのか、呆れていいのか迷うところだ。
「もういっそのこと、これ持って突撃すればいいんじゃないか?」
影分身でも出して一斉に投げればそれなりに成果はあるんじゃないだろうか。
カカシさんと言えど、全弾避けることは不可能だ。
その隙をついて胡椒玉を紛れさせれば、一個くらいは当たるだろう。
少しの投げやりを含めてそう言うと、彼女は考え込んだ。
「エニシ?」
気を悪くしたのだろうか…?
もう少し親身になった方がよかったか、と思っていると、すっと顔がこちらを向いた。
「サカキさん、それやりましょう。私が突撃するんで、隠れながら援護してもらえませんか?」
「…お前のそういうところが本当に意外だよ。」
へこたれないというか、図太いというか…。
ある意味で、うちは一族としては風雲児だ。
「何がですか?」
そして、本人は微塵も気付いてないときた。
「いや、いい。それで、俺もお手玉を投げればいいのか?」
「いえいえ、サカキさんはこっちを。」
そういって差し出されたのは、胡椒玉だった。