第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
「エニシ…」
「カカシさんがここに連れてきてくれたのよ。私といい事する為に、ね。」
女は目を眇めるようにこちらを睨みつける。
そして、これ見よがしに先生の服の中に手を伸ばした。
「あんたみたいなお子様には用はないのよ。」
何だろ…。
ここでおっ始めようっていうのは、どう飲み込めば良いのやら?
馬鹿だと笑えばいいのか。それとも変わったご趣味ですねって言えばいいのか…。
しかも、先生の様子を見るに合意とは言えない感じ。しかも「連れてきてくれた」ってあり得ないし。
………。
まさかとは思うけど、何か盛られてるの?
…あのカカシ先生が?
すっごく怪しくない?
なんて考えてたら目の前に女が迫って来ていた。どうやら影分身らしい。
私は瞬時に写輪眼に切り替えてクナイの軌道を避けた。
「ふん、鈍臭いわね。さっさと出て行けって言ってんでしょ、地味女。…あんた、専らの噂よ?うちは一族じゃ落ちこぼれなんですってねぇ、可哀想。だから医療忍者なんてやってるんでしょ?」
くすくすと女は笑う。
「出来損ないが人のものにベタベタと近づくんじゃないわよ。この人は私のものよ。」
…ヤベェ奴キタ…。
こういうの、何て言うんだっけ?
ヤンデレ?ちがうな…キチガイ?
うーん、どっちにしろこれはもう…逮捕でいいんじゃないかな。
「出て行けって言ってんのが聞こえないの!?」
クナイを避けながら、考える。
取り敢えずは私なりに改良した幻術をテストしてみるか。
稼げる時間は凡そ五秒。これは人が幻を認識してから解術するまでにかかるタイムラグ。
勿論、個人差はあるけどね。
この五秒で形勢をひっくり返す!