第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
「あぁ、そういえば。君が先輩にしょっちゅう悪戯仕掛けてるって本当かい?」
テンゾウさんが話題を変えてくれた。
気遣いが嬉しいね。
「マスク取り合戦のこと?」
「合戦になってないけどね。」
この笑顔、憎たらしや〜。
「ひどいと思いません?テンゾウさん。この人、本気で防御するんですよ。」
「お前がヒトのマスクを引っぺがそうとするからでしょ。」
「ちょっとくらい素顔見せてくれてもいいのに。」
「嫌なものは嫌だね。」
「けーち。いたいけな少女のささやかな願いくらい叶えてくれたっていいじゃないですか。」
「自分で言うの、それ。」
「誰も言ってくれないので自分で言ってみました。」
「…言ってあげようか。」
カカシ先生の言葉に、げっと顔を顰めた。
言ってあげようか、って可笑しいでしょそれ。
「謹んで遠慮させていただきます。本気で言ったらただのイタイ子じゃないですか。」
「自覚があって良かったよ。」
「バカにしすぎですよ。」
ひとを何だと思ってんだ。
「ぶふっ。本当に仲がいいんですね、先輩。」
「こいつ面白いでしょ?」
「そうですね、先輩が可愛がるわけも分かる気がします。」
ちっちっちっ。
「異議あり。可愛がるではなく、揶揄うの間違いだと思います。」
「そうかな?僕から見ると気に入られてるように見えるけど。」
「…オモチャ的な?」
思わず胡乱気に答えたら、二人して笑われた。
「それは一理ある。」
「ほら、やっぱり気に入られてる。」
「…全然説得力ないわ〜。」
気に入り方が可笑しいと思うのは私だけかしら。