第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
「あぁいう押しかけはね、傷なんてどっちだっていいんだよ。寧ろ、傷を負ってくれた方が色々と出来ていいと思ってるんじゃないの?」
何をとは聞かない。
みなまで言わなくても分かっちゃった。
「うわ〜ドン引きだわ〜。……って…。」
あれ、その会話さっきテンゾウさんと…。
「え!?聞こえてたんですか!?」
えぇ〜!!
10mは軽くあったよ!?
「今もあの子らの会話は聞こえてるよ。お前も大変だね。」
「それ、どういう意味っすか…?」
思わず顔を引き攣らせた。
「『あの子、カカシさん相手に何様のつもりよ。』だって。」
「御局様か。」
お前が何様だっての。
速攻で突っ込んだら二人に笑われた。
「っていうか、本当にナナホ先生並みに良いお耳をお持ちですね、先生。」
嫌味半分で言ったら、ちょっと得意気に笑い返された。
「ところで、何で君は先輩のこと先生って呼ぶんだい?」
おおう。それ突っ込んじゃう?
…普通、突っ込むか…。
「え、っと〜…。先生っぽいなと思いまして?」
「そこで疑問系はダメでしょ。」
「説得力がなくなるね。」
二人からダメ出しされた。
そういえば、そうね…。
「あ、面倒見がいいから。」
「…取ってつけたように言わなくても大丈夫だよ。」
テンゾウから苦笑され、ちーん、と沈んだ。
「すみません…。」
「嘘が下手だねぇ。」
「ほっといてくださいーだ。」
けっ。