第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
「そういえば、テンゾウさんはもう平気なんですか?」
っていうか、何であそこにいたんだろう?
聞いていいのかな?
…いや、なんか線引きされてるっぽいしなぁ。
「僕はまぁ、平気だよ。君が治してくれたしね。」
「そうですか…。ところで何故あそこに?」
…我慢できませんでした。
気になるんだよ、どういう風の吹き回しなのか。
「何となく…?珍しいというか…。どんな風に治してるのか気になった、というか…。」
「そんなに珍しいですか?」
医療忍者って少ないけど珍しいって程でもない気がするんだけど…。
「あ、私が”うちは”だから?」
返したら気まず気に目を逸らされた。
え、もしかしてうちは一族だから敬遠されてるとか?
え〜…。
あんまりそういう差別的な事する人じゃないと思ってたんだけど…。
「その…、ごめん…。」
「あー…いや…その…、はい…。」
あれ、これはアレを頼めない、かも…。
うわぁ〜…。
出だしから予定が狂いそう…。
「うちは一族の人って、その…あまりいい噂聞かなくて…。それで、僕とは決定的に相性が悪いと、勝手に思ってて…。」
あー…、木遁だから?
木遁と言えば千手一族で、うちは一族とは犬猿の仲。
私にとっては「あ、そう。」の一言で片付く案件。
…と、言うことは…?
「えーっと…私はお嫌いですか?」
「ぶふっ…!」
…何故笑う?
「ごめっ…、ふ、くくっ…。だって、『野菜はお嫌いですか』みたいに聞くからっ…。」
…ふむふむ。
なんか、少し前にそんなキャッチコピーが流行ったね。
えーっと、
「つまり私は…、ピーマン的な存在ですか?」
「あははっ、や、やめてっ…!は、はら、捩れる…。」
ツボか。
ツボなのですか。
涙まで浮かべるほど面白いらしい。
「ごめん、でも、今は嫌いじゃないよ。」
「あー…。ピーマンって大人になってから食べると美味しいね、みたいな?」
「あははっ!ピーマンから、はなれてっ…。ふ、くくっ…腹痛いっ…!」
そこまでツボか。
見てると逆に面白いね(笑)