第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
リツさんの状態はチャクラ切れが大半に、背中と脇腹の打ち身、それから小さな擦過傷だった。
「リツさ〜ん。お〜い、リツさ〜ん!しっかり〜!」
全部に対処してから、何度か呼びかけてやっとこさ彼女の焦点が合った。
「おかえりなさ〜い。お疲れ様です。」
「エニシ…?わた、し…?」
「覚えてませんか?ここでぶっ倒れたそうですけど。」
「…え?」
彼女はきょろきょろと辺りを見渡して、ここが陣営だと認識したらしい。
と思ったら、みるみる形相が変わる。
「岩の奴らは!?」
そして、凄い勢いで襟首掴まれた。
「え、いやー…、カカシ先生がピンピンしてるし大丈夫だったんじゃないですか?」
私、まだ戦況知らないんだけど…。
「適当言ってんじゃないだろうね!?」
「げ、げんき、そう、ですね…。」
揺れる揺れる。
チャクラ切れはどうした。
「岩隠れは押し返したよ。とりあえずはまた安定したから大丈夫。君以外全員無事だよ。」
何故か、後ろからテンゾウさんの声がした。
「お疲れ様。任務完了だよ。」
その言葉を聞いて、リツさんの力がへなへなと抜けていく。
「お疲れ様です。マッサージでもしましょうか?」
私が手を出すと、黙ったまま手が差し出された。
簡単に按摩を施した後、リツさんの調子がいつも通りに戻りつつあるのを確認して立ち上がる。
次はカカシ先生を診なきゃ。
「…先輩の所に行くのかい?」
テンゾウさんから話しかけられた。
先輩ってカカシ先生のことだよね。
「はい。腕怪我してたんで、とっ捕まえなきゃ。」
逃げられる前に治さないと。
「僕も一緒に探すよ。」
「ありがとうございます。」
お礼を言うと、何でか困ったような笑みが返ってきた。