第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
後日、カカシ先生には改めて私達の計画を話すことになった。
私が突っ走ったせいでもあるんだけど…。
イタチもこの時いなかったしね。
数日後に、任務を装って会うことになったの。
私達兄妹のツーマンセルとカカシ先生とイタチのツーマンセルの任務。
根の目があるからね。
どうしても四人で固まって行動するわけにはいかなかった。
「お前も大概無茶なことを考えるね。」
説明を聞いた先生には苦笑されたけど、私は割と本気でこの道しかないと意気込んでいる。
先生は私を見て、不意に真面目な顔をした。
「分かってるか?うちはの里を作れば、叛意ありと見做されるかもしれないぞ。」
「そうだろうな、とは思いますけどむざむざ衝突を待つよりずっといいと思います。のびのびと暮らせればあのギスギスした気持ちも変わると思うし。」
私が言うと、兄ちゃんも頷いてくれた。
「俺達はただ平和に生きたい、蔑みの目を向けられたくない。それだけなんです。」
「今のまま、正規の手順を踏んで里別けの裁可を待てば俺達の望み通りになるでしょうか?俺にはそうは思えません。俺は一族を災いの火種にはしたくはない。」
イタチも擁護してくれる。
「里は、うちは一族が牙を剥かないか心配してるんだと私は思っています。そうでしょう?」
私がそう言うと、先生は難しい顔つきになった。
「…あぁ。」
「だからうずまきの里みたいに兄弟里になればいいと思うんです。予め和平を結んでおけば内乱にはならない筈です。」
「果たしてそう簡単にうちはが納得するか?」
…正直、そこがすごくネックではある。
でも、私が説得できなくても、兄ちゃんやイタチが説得に加わってくれれば、可能性はある。
二人の言葉なら一族の人も聴く耳を持ってくれるかもしれない。
「説得します。それこそ俺達が全霊をもって。」
「その為にも、まずはそれに基づく場所を用意したい。俺は、これは賭けだと思っています。一族が変わるきっかけになれば、或いは風向きが変わるかもしれないと。」
兄ちゃんとイタチが応えてくれて、そっと息をついた。
私達の本気を悟った先生は、軽く息を吐き出す。
「…分かった。俺も出来る限りしよう。」
「ありがとうございます、先生。」
本当、頼もしい人だよ。