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もう一度、を叶えるために。first

第15章 うちはの里を作っちゃおう 1





今晩は洞窟から離れた場所で野宿をする事になった。
ここって何にもない所なんだよね。
多分、里の南側?東側?に位置する場所で人の気配が皆無なの。
人里まで行こうかっていう案も出たけど、何となくカカシ先生が乗り気じゃないなって感じて、私が咄嗟に野宿にしようって切り出した。
丁度、テントや寝袋の予備は持ってるし。
だから、一個は先生に渡した。
兄ちゃんは、念の為にと自分の分は持ってきたんだって。

つーわけで、レッツキャンピングだぜ!

「随分大きな荷物だなぁとは思ってたけど、まさかそんなに入ってるとはね。」

先生が少し呆れたように笑う。

「リュック一つ分だからそうでもないような?自力で行くつもりだったから野宿する気満々でしたし。」

「本当に信じられん奴だな、お前。」

兄ちゃんには横目でじとっと睨まれた。

「はいはい、ごめんなさいね…。」

自覚がなくて悪かったわよ…。

「頼むから落ち着け。」

「はーい。」

小さな火を起こして、棒付きウインナーと餅を並べていく。

「…よくこんなに持ち出せたな。」

次から次へと出てくる食料を唖然と目で追う兄ちゃんに、手を振って「違うよ」と答える。

「家からじゃなくて、途中で買ってきたの。何でもいいから買っちゃえーと思って。」

目についた物を適当にぽんぽんとカゴに放り込んだだけ。

「あと、携帯食がちょっとと兵糧丸とマシュマロとチョコレート。」

「お前、何しにきたんだ。」

「だから適当に買っただけなんだって。」

兄ちゃんは遂に頭を抱えてしまった。

…いや、私も別に遊びに行くとは思ってないよ。
真面目に真面目をした結果なんだって。

「ははっ。お前は本当に見てて飽きないな。」

カカシ先生はどこか寂しそうに笑う。
思うところはあるけど今は触れない方がいいような気がして言葉が出ない。
でも不自然に沈黙するのも嫌で、慌てて話題を探す。

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