第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
別に突拍子もない事言ったつもりはないのよ。
だからね、
「ほら…、えーと…。ここがアジトだったとしたら、何か手がかりがほしいじゃん?ここをまだ使ってるんだとしたら何かあるかもしれないし、手がかりになってほしいし。」
切実に。
「手がかりに、ねぇ…。」
「うん…。それもご先祖様やこいつに見つからないように隠すとしたら。」
私がマネキンを指差しながら質問すると、二人は考え込んだ。
不意に兄ちゃんが顔を上げる。
「オビトは…。木遁を使えるか?」
「どうなんだろう…。柱間細胞は適合してるみたいだけど。」
そういう描写はあったね。
「適合してるなら使えるはずだ。」
「俺なら木遁で隠そうとするかな。」
先生の答えに、兄ちゃんはそう言った。
「木遁かぁ…。木遁ねぇ…。」
見えてる範囲で木の根は所々にある。
岩の隙間だったり、岩の向こう側だったり。
………。
もしもこれが全て木遁によるものだったら…?
自然と溶け込んでる木の幹のような根のようなものが、実は木遁によって生み出されたものならば…。
私は特に残滓が濃い壁際…ご先祖様の特等席とは別の場所の岩肌に手を当てる。
で、思いっきりチャクラを練り込んだ。
バンっ!!!
割と重低音の大きな音を響かせて岩が砕け散り、捻じ曲がりながら折り重なった木が剥き出しになった。
「うわぁ〜…。これかなり重なってるよ。」
面倒だけど一つ一つ剥がしてくしかないね。
よいしょ、と頑張って手作業で剥がしていると、先生と兄ちゃんも手伝ってくれ始めた。
幅1mくらいはあったかな。
取り除いていった先に、守られる様にそれがあった。
白い布に丁寧に包まれた物。
「何だろう。」
「さぁな…、開けてみよう。」
私が開けてみることになり、丁寧に広げていく。
すると、中から出てきたのは使い古しの額当てで、木の葉のマークが入っていた。