第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
まずは危険の有無を調べる為に表を見て回っている時、洞窟の向こう側が少しざわざわしだした。
あれ、と思ったら兄ちゃんだった。
さすが兄ちゃん、速かったなぁ。
で、私の方を見た瞬間、物凄い勢いで駆けてきて、
「ふがっ!」
そのまま飛び蹴りされた。
え、何でそんなに怒ってるの?
「お前はっ!何でっ!そう無防備なんだ!!」
…何の話?
「あれほど言ったのに、もう忘れたのか…!?」
ん…?
あ、そういえば…。
「根から目をつけられてる話…?」
「他に何がある!?そんな時に後をつけてくれと言わんばかりの行動をするなっ!」
ばしっと頭をはたかれた。
いて〜…。
あれ?
「じゃあ、さっき全力で走ってきたのって…、まさかの監視を撒くため?」
カカシ先生を見上げたら大きく溜息をつかれた。
「…お前も苦労が絶えないね、シスイ。」
「ご迷惑おかけしました…。」
「え、そんなに…?」
「「自覚を持て。」」
…へーい…。
なんか、兄ちゃんが二人になった気分…。
「お前も手伝え。」
そう言って手渡されたのは、うちにだけ代々伝わる術札だった。
さすが兄ちゃん。何枚か持ってきてくれていた。
「分かった。」
私は洞窟の周りを囲う様に、木の根元や木渡しそうな太い枝の裏側に札を貼り付けて写輪眼で起動していく。
これは認識阻害の結界で幻術の一種。
対人じゃないせいか、これに関してはすんなりと使いこなすことが出来た。
自分でも術札を作れるし。
ただ、札なしで瞳術でこれをやろうとするとあんまり上手くいかなかったんだよね…。
残念…。
「これで、外から俺たちを見つけにくくなった筈です。」
「へぇ…。こんな術があるのか。」
「うちはでも俺の家系に代々伝わってるものなので。」
そう言ってちらっと私を見る兄ちゃん。
私にはとても貴重な術よね。
チャクラの節約にもなるし。
本来、札にしなくていい所を態々札にしてくれたご先祖様に感謝だわ。