第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
だだっ広い森の中を、木から木へひた走る。
途中何度か、先生は走りながらムジルーシで木に殴り書きをしていき、目印を付けていた。
口寄せでパックンも呼んで兄ちゃんが通過したかどうか確認をしてくれる徹底ぶり。
お世話になります。
ただ、着いた頃にはくたくたで息は切れ切れ。
「大分体力ついたな。」
「そう、ですね…!はぁ、はぁ、…っ、おか、げ、さまで…!」
まともに喋れやしない。
いつぞやのゲジ眉先生並みに速かったよ…。
けど、カカシ先生も大分息切れしてるから、ちょっとは体力が追いついてるのかも。
息を整えつつ周りを見渡してる。
鬱蒼とした森の中に隠される様にあった場所。
崖のように切り立った岩山があって、カモフラージュのように所々からにゅろにゅろっと木が生えている。
三階建じゃきかないくらいには高いと思う。
木が乱立していて何処が入り口なんだか分からない。
「こっちだよ。」
促された先には、地盤が沈下したように半円…よりも狭い範囲で地面ががたがたと下がっていて、そこにぽっかりと二人程入れる大きさの入り口があった。
「…ここ?」
「あぁ…。」
見上げると、先生の顔が少し強張っていて、手元を見るとぎゅっと握られていた。
私は前に向き直って、すっと息を吸って腹に力を入れる。
「行きましょうか。」
はてさて、中はどうなっているのか。
入り口に近づこうと一歩踏み出すと、がっと肩を掴まれた。
「あのね…。得体が知れない場所に来たらちょっとは警戒しなさいよ。」
「んなこと言ったって、時間もないし、見なきゃ始まらないし…。」
「お前ね、軽はずみ過ぎるよ。」
「そうかなぁ…?」
「とりあえず、外側から調べていくぞ。」
「へ〜い。」
ちぇっ。