第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
さてさて、何処に行こうかな。
誰もいない所がいいな。
ただいま時刻は午後三時。
丁度アカデミーが終わるか終わらないかで、演習場は人影が増える頃。
となれば、その周辺は却下ね。
市街地は以ての外だし。
うーん…。
「あ!」
顔岩沿いに流れる川の中腹に穴場スポットがあるの。
そこがいいね。
「よっしゃ、読み通り。」
誰もいないし、せせらぎの音以外は静かなもんだ。
早速。どれどれ…。
巻物の中身は、真偽問わず噂をかき集めてくれたもの。
オビトのものから暁のものまで様々。
その中でも暁メンバーの名前が入ってたりしたから、赤ペンで丸をつけていく。
で、一番最後にあったのが簡易地図で、何処かの場所を示したもの。
どこどこの近くで、目印は何で、みたいなことが適所に書かれていた。
どこの地図だ、これ。
「……っ!」
これは!
多分アジトだ!
現在のアジトなのか、放棄したアジトなのかは分からないけど、”木遁の痕跡”ってあるからもしかしたら柱間細胞が見つかったか何かかもしれない。
私はすくっと立ち上がる。
今から里を出て夜通し歩けば多分着く。
とすると、明日は出勤できないから欠勤の延長しなきゃ。
そうすれば明日は朝からアジトを調べることが出来るし、道さえ分かれば夕方までには戻れる!
「よし、準備だ!」
善は急げよ〜!!
取り急ぎ、暗部の事務所的な所に行って欠勤申請を出して家に飛んで帰った。
そして、押入れの奥からリュックを取り出すと巻物を取り出して簡易テントと寝袋を収納。
「あ、兄ちゃんに知らせないと!」
私は影分身を出して兄ちゃんを探しに出した。
それから念の為にと寝袋をもう一つ収納。
武具のチェックもしなきゃ。
あとはマッチと火種の元と薪を。
割り箸も入れとこ。
「それから…。食材か。」
肉屋と雑貨屋に行かなきゃ。
早くしないと品薄になるわ。