第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
「何もあんな馬鹿力で掴む事ないじゃないですか。」
ひっどい目に遭ったわ〜。
「お前が変な事言うから悪いんでしょうよ。」
「それ言うなら、シカトするのも悪いと思うんですよ。」
「毎度、馬鹿騒ぎなんて付き合ってられないでしょーが。」
「馬鹿騒ぎなんてしてないですって。」
「とにかく俺は帰りたかったんだよ。巻き込まないでよ。」
「偶には巻き込まれたらいいじゃないですか。いつも素通りなんでしょ?」
「俺はこいつらみたいにがやがや喋るの好きじゃないの。」
「お前、ちょいちょい酷いぞ?」
私達の言い合いに、黙ってられなくなったのかゲンマさんが口を挟み、それを援護する様にアンコさんとライドウさんが口を開く。
「あんたが人付き合いが悪いから足止めされるんじゃない。」
「ま、エニシじゃないけど、偶にはいいんじゃないか?」
「…勘弁してよ…。」
ぐったりと肩肘ついて頭を抱えてしまうカカシさん。
確かにいつもより疲労の色が濃い様に思う。
「はいはい。そんな時に引き留めて悪かったですよ。これでも食べて元気出してくださいよ。」
私側の誕生日席にぐったり項垂れているカカシさんの前にさっき頼んでおいた磯部焼きと玉露を差し出した。
「ほら、右手出してください。」
そう言って彼の右腕をてしてしと軽く叩く。
「疲れてるんでしょ?マッサージしますから。」
カカシさんはちらりと私を見ると黙って手を差し出してきた。
なので、私も椅子をカカシさんに寄せて大きな手を自分の両手で挟み込んだ。
手には体全体のツボが集中していて、そこを解す事で、各パーツの凝りを和らげることが出来る。
上から頭、肩、腕、胴、背中、脚などなど、ぐりぐりむにむにと揉み解す。
特に眼と心臓に負担がかかってるみたい。
特に集中的にツボをつくと、眉間に少し力が入りながらも目元が緩んできた。
概ね痛気持ちいってところだね。