第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
「鉄壁ってのも、案外大袈裟じゃないんですね。」
カカシ先生と私の恋愛観は似てる様な気がする。
この前話した時は色々はぐらかされたと思ってたけど、あれが本音だとすると色々納得がいく気がした。
きっと、誰といても上手くいく気がしないんだよね。その人との未来を想像できないっていうか。
「カカシ先生にも春が来るといいんですけどね…。」
あんなにいい人なんだもの。
カカシさんだけを見つめてくれる、傍にいてくれるって人がいたらいいな。
たった一人でいいのよ。
そんな人が…
「お、噂をすれば影だな。」
ん?
「あら、本当。ご本人じゃない。」
どこどこ…
「あ、ほんとだ。おーい!!」
私はその場に立ち上がって手を振った。
私達がいるのはテラス席で、カカシ先生が通りを歩っているのがよく見えるのだ。
多分気づく筈。
…と思ったのに、カカシ先生は何事もなかったかの様に歩っていく。
「あれ…?気づかなかったのかな。」
いつもならすぐに気づきそうな距離なのに。
「…あいつ、またシカトする気だな。」
「機嫌でも悪いのかしら。」
「そんなこと言ったら、ほぼ毎日機嫌悪いんじゃないか?」
ゲンマさん、アンコさん、ライドウさんの言葉にちょっとムッとしてしまった。
私もシカトしようってか。
そっちがその気なら…。
「カカシ先生のお嫁さん見繕ってあげるからねー!お見合い楽しみにしててー!」
私も最大限挑発をしてやろうじゃないか。
私の叫び声が通り中に響き、道ゆく人が私とカカシ先生を見比べる。
もちろん、先生の歩みはぴたりと止まった。
へへーんだ。
「さてさて、ゲンマさん。どんな人素敵な人がいますかね。」
私は何事もなかったかの様に席についた。
「ぶっ、くくくっ。そうだなぁ、この間会った…」
「余計な事するなよ、ゲンマ。」
「いたたたた、いたい痛いから先生…!」
どうやら瞬身の術で現れたらしい先生に、頭を鷲掴みされた。
「「「あっはっはっはっ!!!」」」
三人は大爆笑でしたとさ。
ちゃんちゃん。