第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
私の機嫌が治り、みんなも思い思いに話の花を咲かせる。
で、出てくる話の殆どが恋バナなもんだから、私が「恋バナ好きですね。」って思わず言っちゃったの。
「割とみんな好きなんじゃねぇか?こんな仕事してりゃ出会いなんて限られるしな。」
「里から外へは出れないしねぇ。」
「そうなると、目が向くのは同じ一族だったり、同期だったり、班の仲間だったりするしな。」
「もたもたしてると、すぐに売れ残りになっちゃうしね〜。まぁ、誰かさんはひらひらと恋に生きてるみたいだけど?」
「相性を試してるんだよ。距離を縮めなきゃ分からねぇ事だってあるしな。」
三人の会話から、大人組がどの様な恋愛市場なのかちょっと分かった。
なるほどね〜。
「それに半分以上はカカシを狙って玉砕した奴だ。慰め慰められの関係なんだよ。」
「んじゃ後腐れなくの関係?」
この世界にもそんな関係性があるんだ。
「お前、そんな言葉何処で覚えてくるんだよ。」
ライドウさんに苦笑されたから、少し肩をすくめた。
「まぁ色々と。」
「女の子だしな。俺らだって女の方が情報早かったりするだろ。」
「例外もいるけどな。」
ゲンマさんとライドウさんは笑い合う。
「しっかしカカシも頑なだよなぁ。」
「そうねぇ。もうちょっと態度を崩せばねぇ…。」
「だな。そうすりゃ、出会いなんか黙ってたって転がり込んでくるのによ。」
「ねぇ。心を開かないにしたって限度ってもんがあるわよ。」
三人が三人ともやれやれと肩をすくめる。