第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
「どうすんの、って…。ないですよ、絶対。」
イタチに限ってあり得ないし。
「いいじゃない、想像するくらい。みんなそういうのキッカケにするんだからさ。ほら、想像してみてよ。真剣に『好きだ。』って言われたら。」
アンコさんの『好きだ。』のセリフが妙に真に迫ってて、いつかのトウキの告白が過った。
そして、その声が脳内でイタチの声にすり替わり…。
「わあああぁぁぁぁー!!!」
「何よ!びっくりするじゃない!」
ガタガタン!と椅子を転がして急に立ち上がった私に、三人が驚いた。
でもそれどころじゃないし!
「何想像させるんですか!?あり得ないから!!」
「あんた、今どんな顔してるのか分かってる?」
「顔真っ赤だぞ〜。」
アンコさんとライドウさんの揶揄に思わず顔を覆って、へなへなと崩れる様にして座り直して…。
「ふぎゃ!」
椅子がないことを忘れてひっくり返った。
「「「あはははっ。」」」
「〜〜〜…!」
もおぉぉぉ〜!
「帰る!」
私は涙目で席を立とうとしたら、ライドウさんが慌て出した。
「悪りぃ悪りぃ。揶揄いすぎた。」
「悪かったわよ、もう言わないから。」
アンコさんは苦笑しながら自分のみたらし団子を差し出してきた。
ライドウさんも転がった私の椅子を直して、私をそこへ誘導する。
座った私は、渋々アンコさんからみたらしを受け取って食べ始めた。
「うま…。」
醤油と砂糖の絶妙なバランスがクセになる。
さすが看板メニュー。
「お前、面白いな〜。」
ゲンマさんが楽しそうに笑った。