第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
「お前はこうなったらダメだぞ?」
「いや、私も興味ないので大丈夫です。」
ライドウさんがしみじみ言うから、何となく真面目に返してしまった。
え、という唖然とした顔で三人から見られて、あ、と後悔した。
ここは茶化す場面だった。
「だってあんた…イタチは?」
アンコさんに言われて、目をぱちぱちと瞬かせた。
「何でイタチなんですか?」
「あんたイタチが好きなんじゃないの?」
「いや、ちょっと意味が分かりません。何でそう思ったんですか?」
突拍子がなさすぎでしょ。
でも、何故かアンコさんは絶句する。
で、団子を放り込んでた手が止まったままライドウさんを見た。
釣られて私も彼を見ると、何やら二人でアイコンタクトを撮ってる模様。
「何の相談か知らんですけど、イタチとは何にもありゃしないですよ。てか、何でみんなしてイタチと何かあると思うんです?」
私がイタチと一緒にいる所を見た人は、大体一度は聞いてくる。
「え、嫌なの?」
「別に嫌じゃないですけど、本人達は違うって思ってるのに周りに押し出されそうって感じで、居心地悪いっていうか。それのせいで気まずくなるのも癪っていうか。」
そう返したら、アンコさんとライドウさんは困惑顔で互いを見やった。
「何だか分からねぇけど、お前はイタチって奴と今のままがいいわけだ。」
「そうですね。」
そう答えたら、ゲンマさんは頬杖ついてしげしげと見てきた。
「ふーん…。お前変わってるのな。大概、冷やかされたのがきっかけで仲が深まったりするもんなんだが。」
そうなんだ。逆だと思ってた。
だからみんなして、ちょっとでもいい仲をくっ付けようとしたがるのかな。
「ねぇ、もしさ。それがきっかけでイタチから好きだって言われたらどうすんの?」
「よせって。」
アンコさんが少し意地悪そうに笑い、ライドウさんが諌める。