第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
「へぇ〜。お前が新しく入ったって言ってたうちはか。」
「エニシで〜す。以後、よろしくお願いしま〜す。」
「…ほんとにこいつうちはか?」
「かわいいでしょ?」
「自分で言うな。」
なんて軽快な世間話をしつつ、団子に舌鼓。
あ、そうそう。二人と一緒にいたのはゲンマさんって言うんだって。
彼もカカシ先生の同期なんだそう。
今日は偶々任務の帰りが一緒だったんだって。
「相変わらず、アンコさん凄い量頼みますね。」
彼女の前にはどどんと団子の大盛り皿が並ぶ並ぶ。
そして、その八割ほどがみたらし団子。
名前の通りやんけ。
それを聞いてゲンマさんが少し笑う。
「ほんとだよな。よくそんな量を食えるもんだよ。」
そして全種類が甘い。
例えば、定番の黒餡でしょ。それに白餡、黒胡麻、三色に、私と同じ甘味噌。
「俺、見てるだけで腹一杯。」
ライドウさん、分かりますその気持ち。
「や〜ねえ、こんなの序の口じゃない。」
「これで!?」
これで序の口!?
「お前、最高で何本食べれるんだ?」
「数えた事ないから分かんないわよ。」
ゲンマさんが聞くと、アンコさんがあっけらかんと答える。
「俺、100本近く平らげてるところ見たことあるぞ。」
「「100本!?」」
ライドウさんの言葉に、驚愕の声がゲンマさんと重なった。
「意味が分からない…。」
「お前何処にそんな量入るんだよ。」
「人間じゃないって聞いても驚かないですね。」
ゴン!
アンコさんからすかさず拳骨が落ちる。
「いったぁ〜…。暴力反対!」
すぐ叩くんだから〜。
「あんたが余計なこと言うからよ。」
みたらし団子を次々と頬張っていくアンコさんの胃袋は、実はブラックホールで出来ているんじゃないだろうか。
「んな事やってると男が寄り付かねぇぞ?」
「いいわよ、男なんていらないし。」
ゲンマさんの揶揄にもどこ吹く風だ。
それでいいのか、アンコさんよ。