第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
とりあえず、四苦八苦しながら土流壁でちまちま穴を埋めていく。
二人は適応外だから、私がやっています。
まぁ、壊した張本人だしね。
まさか、放置して帰るわけにもいかないし。
最後に土波の術で地均しして大方元通りにしたところで、ふぅと一息ついて直したところを見回した。
「…チャクラ刀は…いいや…。」
ついつい、ぽつりと溢れた。
いやほんと、懲り懲りだよ…。
「…選べるほど出回ってないからな。」
そうだった…。
アスマさんの言葉に内心首を竦める。
「出回っても手を出すのは辞めときます。」
手に入れても御せる気がしない。
「まあ、あれだ。これも経験だと思っておく事だな。生きてれば何処でどう役立つかは分からねぇぞ。」
アスマさんを見上げると、笑いながらぐりぐりと頭を撫でられた。
そういうものかな?
まぁ、知っておく事に意味があるのかな。
「成果はあった?」
紅さんに聞かれて先程を振り返る。
そうだね…。
紅さんのおかげで、幻術の違った使い方が見えてきたかも。
何も相手を精神的にやり込めるばっかりが方法ではないって気づけた。
それはあくまで手段の一つだ。
前世の絶景だってあんなに驚かれたんだもの。
まだまだ驚くような光景を創り出せること間違いなしだよ。
そして、チャクラ刀は…まあ…。
どういうものかってのを端的に知れたのは、良かったのかな…?
どこで役に立つんだ?って思うけど、見て触って、「これがチャクラ刀だよ」って分かるだけでも違うのかな。
まぁ…そう思っとこう。
「はい。色々と発見もありましたし、知れて良かったです。」
私は改めて二人に向き直ると、すっと頭を下げて礼の姿勢を取った。
「ありがとうございました!」
頭を上げてにっと笑うと、二人からも笑顔が返ってきた。
「「どういたしまして。」」
なんていうか、おしどり夫婦よね。
ほんわかするわ。