第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
結論から言って、チャクラ刀は最近発見された新素材なんだそう。
守護忍だからこそ、逸早く情報が入って、逸早くお試しが出来たのだそうな。
…そりゃ驚かれるよね。
極秘までいかなくても末端の私が知ってるのは不自然だわ。
「これがそうだ。」
アスマさんが見せてくれたのは、正しく前世見たやつだった。
包丁みたいな形を、更に刃側を反らせた形で指抜きの部分が四つある。
「これにチャクラを流すと、そいつの最も得意とする属性を反映する。」
「チャクラは大体五大分類に属するから、そのどれかが発現する?」
相槌を打つように問いかけると、アスマさんは首を横に振る。
「いや、そうとも限らない。隠遁、陽遁もあるから必ずしも五大分類を反映するとは限らない。」
「そうなると、持ってみないと何が出てくるのか分からない?」
「理論上はな。まだ特殊の奴がコレを持った所は見たことないが。」
なるほど。
確か、影の忍術を得意とするシカマルが使った時にはその特性を反映してたもんね。
「俺の場合、チャクラは風遁を色濃く反映しててな。これを使えば岩をも切り裂く。」
そう言ってニヤリと笑ったアスマさんは、チャクラ刀を一本私に差し出した。
「お前もやってみろ。」
「いいんですか?」
現物だ…。
レプリカとかじゃなくてホンマもん。
受け取ったクナイは、当たり前だけどずっしり重くて凄く研ぎ澄まされていた。
私は指を通してしっかり握るとゆっくりとチャクラを流した。
「んん?」
でも何の変化もない。
「もっとチャクラを流さないと手応えないぞ。」
え゛、もっと?
「ほら、始まった。」
アスマさんの楽しげな声と共に、チャクラ刀に石がボコボコと生え始める。
っていうか、際限なく吸われる予感がするんですけど。大丈夫か?これ。