第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
驚いていると、紅さんはくすりと笑う。
「それに、あなたには私と違って写輪眼があるんだもの。印を組む必要がない分、更に有利よ。」
これを瞳術でやるのか…。
出来るかな…?
「一旦解いて、今度は写輪眼でやってみろ。もう、お前なら出来る筈だ。」
「はい。」
解くと景色が戻る。
私は一度目を瞑って写輪眼を浮かべ、兄ちゃんから教わった通りに幻術を発動する。
すると、霞が晴れるように別の景色が広がっていく。
「ある意味、うちはに生まれたのが惜しいくらいだな。」
「本当に…。こんな綺麗な景色を創れるのなら引く手数多よね。」
眼下に広がるのは薄暗い朝焼けの藤色を受けて揺蕩う雲海。
聳える山々の向こうには、ご来光を迎えようと空を橙に染め始めた空が美しいグラデーションを創っている。
時折、身が引き締まるような冷たい風が吹き抜けていき、目の前の絶景の冷たさと荘厳さを引き立てている。
「これだけ出来りゃ幻術が出来ないなんて言われねぇよ。」
「そうね。」
「だが、恐れられるうちはの瞳術としちゃあ、代名詞にはならないかもな。」
「解きやすいのが難点ね。この中にかっちりと閉じ込められるくらいじゃないとね。」
二人は苦笑しながら私の幻術を解く。
「…あらら。見破られちゃった。」
そうなのよね。私のコレは誰でも割と簡単に解けてしまう。
どうしても閉じ込めること、つまり解きにくくするように相手のチャクラを掻き乱すことが出来ない。
「兄ちゃんにも指摘されました。けど、相手に干渉するのが中々上手くいかなくて。今まで幻の方も出来がイマイチだからニセモノ感が半端なくて…。」
私は苦笑しながら頬を掻いた。
「なるほどな。まぁ、こればっかりは感覚の問題だからな。」
「でも、あなたの幻術の腕は確かよ。少し視点を変えれば十分武器になるわ。」
「はいっ。」
嬉しい。これでちょっとはものになりそう!
「じゃあ、次は俺だな。」
よっしゃ、チャクラ刀キターー!!