第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
「でも、家出がきっかけなんでしょ?普通はそれを目指して何年も修行するのに。」
私はそういうの興味ないけど、なりに行ってすんなり守護忍の称号を取れるものでもないと思う。
何せ、国の猛者達の中で上位十二位って事でしょ?
「きっかけってほどじゃねぇよ。元々はそういう道も考えてたんだよ。それに地元が木の葉の里だったってのも大きいとは思うがな。実力を積むって面でもこの里は火の国の中じゃ一番大きい。」
「ふーん、そういうものなんだね…。でも守護忍を抜けるって惜しくはないんですか?」
何せ守護忍十二士と言ったら忍としては最高の称号じゃない?
正直ここで上忍やるよりかは華々しい活躍ができるんじゃなかろうか。
そう思ったんだけど、アスマさんは少し困った様に笑った。
「そう単純なもんじゃないさ。大人の世界にも色々あるんだよ。」
そう言ってアスマさんは少し遠くを見る。
「人がいるだけ色々な考えがあるんだよ。みんながみんな同じ方を向いていられりゃそれが一番いいんだがな。大人になればなるほど難しくなっていく。」
「そっか…。」
身に覚えはある話だよね。
うちはも他人事ではない。
「ま、その点こっちに帰ってきたら上忍として迎え入れられるだろうし、のんびり出来るかもしれないな。」
アスマさんはおどけた様に言って励ます様に私の肩を叩いた。
私もそれに合わせる様に、にっと笑う。
「アスマさんなら、きっと下忍達に慕われますよ。紅さんも、美人の先生で有名になりそう。」
「え、私も?私はまだ中忍よ。」
紅さんは目を丸くして驚いた様子。
「大丈夫ですって。すぐ上忍になれますよ。」
なれないはずがないし。
テレビでばっちし見たし。
「で、俺も先生になるのか?」
「もっちろん♪頼もしい先生になってる。」
アスマ先生と紅先生のツーショットって意外に好きだった。
ぐっとくるものがあるのよ。くふふ。