第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
まあ、現状プチ人材不足ではあるよね。
中忍止まりが多いし、昔と違って戦場に駆り出されることもないから経験もないし。
経験がないってことは危機感のような焦燥感の様な、強くならなきゃならない切迫感もないって事にもなる。
「チビ達から先生って言われるんだろ?ガラじゃねえと思うんだけどな〜…。」
「あら、そうかしら?アスマは面倒見がいいと思うんだけど。」
「そうそう。”先生”って呼ばれる様になれば気持ちも変わるかもよ?」
「先生ねぇ…、って。」
二人の歩みが止まる。
「「えっ!?」」
そして、同時に振り向いた。
「ども〜。」
「「エニシ!?」
あはは。息ぴったり。
「どこから聞いてたんだ!?」
アスマさんがすごい剣幕で詰め寄ってきた。
あれ?聞いちゃまずかったの?
「どこから…?」
えーっと…確か…。
「アスマさんはただいま反抗期?」
そう答えたら、紅さんは小さく吹き出してアスマさんは項垂れた。
あらら。言葉の綾とかじゃなく本気で?
にやにや。
「アスマさんて思春期真っ只中?」
「違うわっ!」
「ふふっ。アスマは三代目と意見の食い違いがあったのよ。それでそれが受け入れられなくて里を飛び出したの。」
「おい、紅。」
アスマさんが苦い顔で紅さんを窘める。
「あら、別に聞かれて困る事ではないでしょう?そのおかげで守護忍十二士になれたんだから。」
「いや、それは…。」
「へぇ〜。ふらっと家出して守護忍になれるって凄いじゃないですか!」
普通は凄く覚悟とか実力とかを十分に蓄えてから挑むものだよね。
純粋に褒めたのに何故か頭を小突かれた。
「人聞き悪い事言ってんなよ?片手間になりに行ったわけじゃねえよ。それなりに下地を積んでから行ったに決まってるだろ。」
アスマさんは腰に手を当てて大きくため息をついた。