第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
そんな事があってからニヶ月後…―
「ふあぁ〜…。ねむ〜。」
とある日の昼下がり。
ただいま街をぶらぶら散策中。
今日はぽかぽか常春陽気です。
「ふあぁ〜…。」
例の如く眠くって眠くって。
何故に?と疑問符だらけですよ、ほんと。
修行はいいのかって?
いいんだよ、一日くらいサボったってバチ当たんないよ。
修行内容もマンネリ化しつつあるしね。
めぼしい変化もないし。
…いや、普段はちゃんとやってはいますよ?
今日はおサボりの日だけど、いつもは眠くても仕事も調査も修行だってちゃんとやってるよ?
小さな積み重ねが一歩に繋がることも重々承知です。
…って、誰にいいわけしてるんだ私は。
眠すぎて変なテンションになりつつあるわ。
なんて考えながらふと前を見ると、見覚えのある後ろ姿が人並みの隙間にちらちらと…。
「あれ…?あれって…。」
とりあえず見失わない内に追いかけてみる。
ちょっとだけスピード上げて人の隙間を右に左にすいすいっとな。
やっぱり紅さんとアスマさんだった。
相変わらず仲良いな。
二人の傍まで来ると、会話が聞こえてきた。
「……、…大丈夫なの?それ。」
「様子を見るしかないってのが現状だな。特段何を企んでるわけでもなく、何かしでかしたわけでもない。」
「でも…、それっていつか大きな不満になって爆発するんじゃない?」
「まぁ、そしたら里に帰ってくるさ。いい加減俺も大人気ねぇことしてられないしな。」
「あら、漸く反抗期は卒業?」
え、アスマさんって反抗期だったの?
「おまえ…。…あぁ、そうだよ。反抗期が祟って帰れなくなったんだよ。」
へぇ、落ち着いてるイメージあったけど意外と子供っぽかったりして?
「ふふっ。里に戻れば三代目だって喜ぶわよ。」
「そうかねえ…。」
「そうよ。戻って上忍になって、下忍を受け持てばいいじゃない。あなたならみんな大歓迎よ。」