第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
「それでも一つだけ言わせてほしい。私はイタチが傷つくことが問題ないとは思えなくて。傷つくことを当たり前みたいに思ってほしくはなくて。…上手いこと言えないけど…。」
月並みな言葉にはなるけど…。
「愚痴でも何でもいいから溜め込まないで吐き出してほしいと思う。私じゃ頼りないなら、兄ちゃんを捌け口にしたっていいから。もちろん、私でも大歓迎だけど。だから…、だからね。傷ついたままでいることだけはやめてね。」
誰かを頼って。
全部、抱え込まないで。
想いを込めて伝えたら、イタチは少し目を瞠った後、ふっと笑った。
「あぁ…、分かった。」
「約束、だよ?」
すっと小指を差し出すと、少し照れ臭そうにイタチは私の小指に自分の小指を絡めた。
「あぁ、約束しよう。」
「絶対だよ?」
言いながら私がきゅっと握ると、イタチもきゅっと握ってくれた。
子供の約束みたいな形だけど。
それでも、少しでもイタチの心に引っかかってくれたら嬉しいな。