• テキストサイズ

もう一度、を叶えるために。first

第15章 うちはの里を作っちゃおう 1



「それでも一つだけ言わせてほしい。私はイタチが傷つくことが問題ないとは思えなくて。傷つくことを当たり前みたいに思ってほしくはなくて。…上手いこと言えないけど…。」

月並みな言葉にはなるけど…。

「愚痴でも何でもいいから溜め込まないで吐き出してほしいと思う。私じゃ頼りないなら、兄ちゃんを捌け口にしたっていいから。もちろん、私でも大歓迎だけど。だから…、だからね。傷ついたままでいることだけはやめてね。」

誰かを頼って。
全部、抱え込まないで。

想いを込めて伝えたら、イタチは少し目を瞠った後、ふっと笑った。

「あぁ…、分かった。」

「約束、だよ?」

すっと小指を差し出すと、少し照れ臭そうにイタチは私の小指に自分の小指を絡めた。

「あぁ、約束しよう。」

「絶対だよ?」

言いながら私がきゅっと握ると、イタチもきゅっと握ってくれた。

子供の約束みたいな形だけど。
それでも、少しでもイタチの心に引っかかってくれたら嬉しいな。

/ 662ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp