第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
「そういえばね、カカシ先生にも情報集め手伝ってもらってるんだよ。とはいってもまぁ…、中々オビトの情報は入ってこないんだけどね。」
そうなのです。
先生の情報力を以ってしても未だ影すらも掴めないのです。
ここまで何の音沙汰もないと、”実はオビトは生きてる説”が霞んでくるよね。
「そうか…。」
「そっちはどう?」
聞き返すと、イタチは少し私を見てから、思い出す様に遠くを見つめる。
その瞳が何処となく曇ってるようで…。
色々、つらいんだろうな。
所属が”根”だもんね…。
「俺は…、問題ない。」
「…ほんと…?」
思わず聞き返すと、イタチは私を見てから困った様に微笑んだ。
「大丈夫だ。上手くやってる。」
そっと頭を撫でられた。
まるで、宥めるように。
宥められるのは嫌いじゃないんだけど…、今は宥める方に回りたい、かな。
回りたいんだけど…。
「そんなに心配か?」
不意に困ったような少し嬉しそうな微笑みを浮かべたイタチに問いかけられて、ちょっと面食らう。
そんな私を見て、イタチは益々目尻を緩めた。
「心配するな。上手く立ち回れるさ。」
「それは…そうかも、しれないけどさ…。」
それでも傷つかないかって言われたら、絶対傷つくこといっぱいあると思う。
上手く立ち回れる事とそれは別問題なわけで…。
だから…、だから…。
「ふふっ。言いたい事は分かったが、それでも俺は問題はないと答えるぞ。」
言葉なく伝わるとか、これ如何に…。
「…なんか色々複雑なんだけど…。」
言いつつ、私は一呼吸おいて真っ直ぐにイタチを見た。