第15章 うちはの里を作っちゃおう 1
「任務中なんだから寝たらダメだぞ。」
まるでサスケに言い聞かせるような言い様に、私は頬を膨らませた。
「分かってますよ〜だ。」
もう、兄ちゃんみたいなこと言って〜。
イタチはそれを見てまた笑うと、持っていた水筒を私に差し出した。
「飲むか?」
タプン、と水音が聞こえてくる。
「ありがとう〜。」
すっごい喉乾いてたんだよね〜。
私は素直に受け取って、ぐーっと二口、三口と飲む。
「ん〜!美味しい!」
程良く冷えてて甘くて、これぞ天然水!って感じだ。
「あれ?」
飲んでから、ふとイタチはどうしたんだろうと思い至った。
「これ、イタチの水筒?」
「あぁ、そうだ。」
「マジで?ごめん、先飲んじゃった。」
「いいさ。俺は先に飲んだから。」
「そっか…。ありがと〜。」
良かった。ほっ…。
あれでも…。
何も考えずに飲んだけど、これって間接キ…
「もういいなら、貸してくれ。」
ひょいっと横から取られて残りを一気に飲み干された。
で、今度は兄ちゃんは汲みに行く。
…なんか、気にした私がアホみたい。いいけど…。
「最近、仕事はどうだ?順調か?」
隣に座ったイタチは、何とはなしに問いかけてきた。
そうだねぇ…。
「さほど変わったこともなく、恙無くって感じかな。」
兄ちゃんとの別行動が増えた分、色々な人が入れ替わり立ち替わり私に付いて、一緒に仕事したり、教えてもらったりしてるんだよね。
あ、そういえば。
「最近、カカシ先生の班に配属されること多いかな。」
「カカシさんの?」
「そうそう。一回マスクとったところ見たくて奮闘してるんだけど、全然歯が立たないんだよね〜。」
班行動の休憩時間とか隙間時間に色々仕掛けてみるんだけど、すんなりとはいかなくてね…。
「何をしてるんだ…?」
「いやいや、ちゃんと任務はしてるよ?支障は出してないよ?」
そんな目をしないでよ…。
これは…、時には班員の人にも手を貸してもらってる、なんて事は言えないわね…。
話題を逸らして、と。