第14章 暗部でのお仕事始めました
途中でちょっと早いご飯を食べて、家に帰る途中で南賀ノ神社に寄ろうと兄ちゃんを誘った。
「どうしたんだ?」
御堂の中に入り、私は外をぐるりと見回してからそっと障子を閉める。
「…今日さ、オビトがいたかもしれない。」
言いながら兄ちゃんを見ると、彼は驚きに目を瞠る。
「どこ、で…。」
「いつもの修行場に。声しか聞いてないんだけど、ヤシロさんが知らない誰かと話してた。」
“うちは一族こそが誉高い一族。”
“取り戻すべきなんだ。”
知らない声で紡がれた不吉な言葉の羅列。
「…遠回りに煽ってる様に聞こえたんだよね。」
「クーデターを…か?」
兄ちゃんの言葉に頷く。
「前にさ…、私がノートに書いてあったこと、覚えてる?」
「あぁ…。」
「”うちはの中で誰かがマダラと繋がっている”。それが…ヤシロさんなんじゃないかって、思うんだけど…。」
そろりと見上げると、兄ちゃんは難しい顔をして腕を組んで考え込んでいだ。
身内を疑うのは私も心苦しいけど、あんな事言ってるのを聞いたら…。
「つまりは、ヤシロさんをマークすれば、マダラとの繋がりを辿れるかもしれない…、そう言いたいのか?」
「そこまで出来れば大成功だけど、クーデターの土台を崩せないかな、って思って。ヤシロさんが槍玉になるかもだけど、”クーデターを起こしてほしい人とヤシロさんは繋がっていて、踊らされているんだよ”って事を証明出来ないかなって考えてる。」
「逆手に取るのか。」
「うん…。」
気は進まないけど、マダラを遠ざけるには繋がりそのものを否定した方が早い気がする。
「だが、どうやって証明する?」
「証明は…。」
写真に撮れるくらいなら苦労はない。
聞き出すのは…、正直には話さないよなぁ。
どうしたら…。