第14章 暗部でのお仕事始めました
タイミングさえ掴めれば、って兄ちゃんが言ってた。
私が狙うのは真正面の的。
兄ちゃんは私の動きを見つつ、正確にタイミングを合わせにきている。
放たれたクナイの私の軌道と兄ちゃんの軌道は、ほぼほぼ線対象
私のクナイは的に当たる直前で兄ちゃんのクナイに弾かれた。
その時のクナイの角度は、私が垂直なのに対し兄ちゃんは水平。
兄ちゃんのクナイが潜り込むように私のクナイの角度を変えていた。
「分かった〜!」
ばんざーい!
あー、スッキリ〜!
「これを写輪眼なしで出来なきゃ成功とは言えないがな。」
ゔ…。
「分かっとりますがな…。」
もー、手厳しいんだから…。
「次は俺とやろう。」
イタチの声に振り向くと、勝ち気な笑みを浮かべて兄ちゃんを見ていた。
「いいぞ。」
それに兄ちゃんが応えたから、私は場所を譲ってサスケの隣に並ぶ。
が、ちょっと様子が変だ。
「…もしかして拗ねてる?」
「お前、写輪眼使えたんだな。」
ぷいっとちょっとむくれながらそっぽ向いた。
ははーん。
「兄ちゃんだって言ってたじゃん。写輪眼なしで出来なきゃ出来たうちに入らないって。」
「でも写輪眼使ってたら俺は勝てなかった。」
「だろうねぇ。でも公平じゃない。」
私の言葉に、サスケは不思議そうに見上げてきた。
「やるんなら、同じ土俵でなきゃ。闘いじゃないんだからさ。」
にっと笑うと、ゔっと言葉を詰まらせてサスケは違う方を向いた。
その頬は少し赤くなっている。
私はぽんぽんと小さな頭を撫でてから二人の方を見た。