第14章 暗部でのお仕事始めました
少しして、恥ずかしさに耐えられなくなった様にサスケが口を開いた。
「そ、そうだ。今日、エニシが面白いこと思いついたんだよ。」
その言葉に、イタチの手が離れた。
「先の人が投げたクナイを、後の人が邪魔して的に当てさせないゲーム。な、エニシ。」
呼びかけられると同時に、三人の目が向けられる。
「まあ…そうだね。簡単に出来るかなって思って。」
実際には、成功率は五割なんだけど。
「こうだよ!エニシ、もう一回やろう。」
「はいよ。」
サスケは的の前に向かい、私も彼に倣って位置についた。
「いくぞ。」
「いいよ。」
サスケは私の声を合図に動き、私もそれを読んで追う。
キン、という音はすれど、落とすまでには至らず。
二人とも的スレスレの位置でクナイは命中。
「意外に難しいんだよね。」
「エニシ、もう一回投げてみろ。」
後ろから兄ちゃんに声をかけられて振り向くと、手にはクナイを持っていた。
どうやら、やる気らしい。
「分かった。…いくよ。」
私は本気で構えた。
「あぁ。」
兄ちゃんの声を合図に私寄りの的目掛けて投げると、キンっ!という高い音が響き私のクナイは落ちる。
「成る程な。こうすればいいのか。」
「…え!?」
まさかのもうコツを掴んだ!?
「タイミングさえ掴めばどうって事はないな。」
「待って!教えて!どうするの!?」
「いや、お前が考えたゲームだろ。」
「半分しか取れなかった!」
お前なぁ、と兄ちゃんは呆れ顔。
分かりますよ、言いたい事は分かってますとも。
でも、自力じゃ時間がかかりすぎるのよ!
「…まったく。写輪眼で俺の動きをよく見て邪魔してみろ。」
私は言われた通りに切り替えた。
「いくぞ。」
「オーケー。」
合図と共に、兄ちゃんが動く。