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もう一度、を叶えるために。first

第14章 暗部でのお仕事始めました



ふと、ざっ、ざっ、という足音を拾い、二人で後ろを振り返るとイタチがいた。

「エニシと会えたんだな。」

「うん、兄さんが教えてくれた所で会ったんだ。」

イタチに答えながらサスケは真っ直ぐに兄の懐に飛び込んでいく。
イタチも嬉しそうに抱き留めた。

「おかえり!兄さん!」

「ただいま。」

ふふっ、いい光景だなぁ。

「おかえり、イタチ。」

イタチはサスケから私へと視線を上げて緩やかに微笑んだ。

「あぁ。ありがとう、エニシ。」

「どういたしまして。私もいい復習になったから、おあいこ。」

「そうか。」

私達が話していると、サスケも負けじと入ってくる。

「今日はクナイも忍術も全部やったよ。ちゃんと出来たよ。」

「そうか。」

「でも、エニシより兄さんの方がクナイは上手だよ、俺、兄さんからもちゃんと教わりたいよ。」

おぅおぅ、私をダシにしたな?
事実だけに言い返すことも出来ないけど。

「違いを見抜くとは、見る目あるな。」

上から声がして見上げると、

「…おかえり。今日は早いね。」

うちのお兄様が、木の幹に近い枝から見下ろしていました。
兄ちゃんは、そのままストンと私の隣に並ぶ。

「エニシより成長が目覚ましいかもな。」

「大きなお世話ですー。」

ふんだ。意地悪ばっかり。

「まぁ、そう拗ねるな。」

くしゃくしゃと頭を撫でられるのを、私はされるがままに受けていた。
ふんっ、誤魔化されてなんてやるもんか。

「…嬉しそうだな。」

サスケから言われて、私は照れ隠しに両手で彼の視線を遮った。

「サスケもやってもらえばいいじゃん。」

「お、俺は…、いい。」

と言った彼の頭を、イタチは優しく撫で始めた。

「に、兄さん…。」

「偶にはいいだろ。」

サスケは少し恥ずかしそうにはにかみながら兄を見上げ、イタチも目を細めて愛おしそうに弟を見つめる。
その様子を見て、私はぽかぽかする心のままに兄ちゃんをちらっと見上げると、兄ちゃんも嬉しそうに微笑んでいた。

これがずっと続けばいいなぁ。
これを当たり前の毎日にしたい…。

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