第14章 暗部でのお仕事始めました
私達は、的を使ってクナイ当てをしたり、忍組手をしたり、うちはの代名詞、火遁の練習をしたりとそれなりに充実した時間を過ごした。
私にとったら復習の意味合いが強いんだけど。
何ていうか、人に教えることで「あそこもうちょっとこうした方がいいかも」みたいな発見があったりする。
それで、術を見直したり、組手の動きを修正したりと、それなりに成果はあった。
そんなわけで、一通りやり切ると後は練習あるのみで、反復の繰り返し。
何が言いたいかと言うと、単純に飽きた。
けど、サスケは黙々と反復をやっている。
「お前、飽きただろ。」
わぉ…。バレてーらー。
でも、素直に「飽きた」なんて言えるはずもなく。
五つも年下の子より先に飽きるなんて、プライドが廃るのよ…。
なーんか、一石二鳥はないかな〜…。
あ!
「ねぇ、ちょっとゲームやろうよ。」
振り向いたその顔には、ありありと馬鹿の文字が浮かんでいる。
「いや、まずは聞いてって。的当てゲームなんだけど、ただクナイ投げるだけじゃなくて。後に投げる人が、先に投げた人のクナイが的に当たる前に邪魔するゲーム。どう?」
聞いてみると、サスケの顔から胡乱げな感じが取れた。
「二人でほぼ同時に投げるのか?」
「そうそう。先の人はどこの的に投げてもいい。だけど、後の人は、先の人が投げたクナイを叩き落とすか、先に的に当てて当たらない様にするかしないといけない。」
説明すると、サスケの顔が不敵に笑む。
いい顔するじゃん♪
「いいよ、やろう。」
「いいね〜。私後攻でいいよ。」
「いつでもいいのか?」
「いきなり投げてもいいよ。」
そう言うと、不意打ちのクナイが飛んでいく。
私は急いで投げるも間に合わず、クナイは少しの時間差の音を残して二つとも的に刺さった。
「勝った!」
「負けた〜。」
言い出しっぺなのに負けるという体たらく。
でも、これ意外に難しい。
「んじゃ、もう一回!」
「しょうがないな〜。」
渋々といった態で構えるサスケ。
でも顔は楽しそうだから、もうちょっとやろうっと。