第14章 暗部でのお仕事始めました
「眩しい…。」
誰が開けたのか。
寝る前は閉めたはずの障子は全開に開いていて、外が丸見え状態。
そして、日当たり抜群で直射日光モロ浴び…。
普通に、
「暑い…。」
私は二度寝する気にはなれずに布団を畳むと、障子を閉めて普段着に着替えた。
時計を見ると既に八時を過ぎていた。
お休みだから良かったけど、仕事だったら大遅刻。
「…おかしいなぁ。」
昨日は仕事も早く終わったから十時には寝たんだよね。
いつもだったら六時前くらいに目が覚めるのに。
最近ちょこちょこあるこの現象。
……。
まさかもう老化が始まってる!?
「…いやいやいや、そんなわけないし。」
馬鹿なこと考えてないで出かけよ…。
台所をそっと覗くと、おにぎりが二つ置いてあった。
私はダイニングに座って手を合わせる。
「いただきます。」
父さんは勿論、母さんの姿もなし。
最近、すれ違いの生活が続いている。
あの会合があった日から、全く顔を合わさなくなった。
別に嫌いになったわけじゃないんだけど、あの様子を見る限り、父さんは怒り心頭なんだろうし、母さんも父さん寄りなんだろうと思う。
で、今顔を合わせてもきっと私も父さんも平行線を辿るんだろうなって予想がつく。
私も説得できるだけの実績もないし。
だから、出来るだけ早く移り住める土地を探さなきゃ。
それまではきっとこの状態なんだろうな。
「ごちそうさま。」
私はおにぎりを平らげてお茶を飲み干すと、お皿を片付ける。
「今日いい天気だなぁ。」
玄関を出ると、秋にしては珍しく夏に近い陽気。
「さて、修行、修行っと。」
巻物、クナイ、ホルダー、タオル…オッケー。
裏山へレッツだゴー!