第14章 暗部でのお仕事始めました
「日を改めるべきだったわね。」
「笑い事じゃないだろ。」
「そうね、ごめんなさい。でも…、私は悪い選択ではないように思ったわ。味方が増えることはいい事よ。…今のままでは、あまりにも心許ないもの。」
ユキの言う事にも一理ある。
シスイとイタチだけでは、一族の意向を大きく変える事は困難を極める。
会合に出る度に、まるで奔流を堰き止める大岩を二人で支えているような気分に陥るのだ。
「誰かが外から助けてくれれば、或いは…か。」
シスイはエニシほどカカシを信用してはいない。
寧ろ、ちょっとした忌避感さえある。
それは、一族でもないのに写輪眼を持つからなのだが、それが排他的である事も自覚はあった。
「あのね…、はたけカカシには一族の未来の事はまだ言ってないの。」
ユキはそう言って少し苦笑した。
「今度は、シスイが選ぶといいわ。カカシが助けになってくれるか否か。それで、もしも信頼できたのなら、その時に話したらいいのよ。」
その言葉に、シスイは難しい顔をした。
「ユキは信用してるのか?」
「どうかしらね…。でも、エニシはきっと頼りたがるんじゃないかしら。あなたに頼るみたいに。」
ユキはふふ、と笑い、シスイは何とも言えず頬をかく。
「…俺と同じ、なのか?」
「兄が一人増えた、という感覚に近いわ。」
「そうか…。」
―はたけカカシ、か…。
シスイは考えながら、だらんと後ろに寝転んだ。