第14章 暗部でのお仕事始めました
「子供だから仕方ないよ。っていうか、お前この子と話したことあるの?」
先生もナルトを覗きに来た。
「一回だけですけどね。カカシ先生は?」
「俺は見たことあったけど、話したことはないな。」
そっかぁ…。
そうなると私が一番適任な気がする。
「んじゃ、私送ります。テウチさん、ナルト預かりますね。」
私はカウンターの方に顔を向ける。
「いいのかい?」
「はい。幸い、住所もわかりますし、鍵もありましたから。」
なんだか、こんなにすやすや寝てるのを起こすのは忍びない気がするしね。
さて、と。
先にお会計を済ませて。
確か、ここに帯紐があったような…。
私は、四次元ポケット代わりの巻物から財布と帯紐を出すと、テウチさんに二人分の料金を渡す。
「いいよ、俺のは出すよ。」
先生が止めるのを、首を振って断った。
「いいですよ。今回付き合ってもらったお礼です。」
かなり、迷惑かけちゃったしね。
「…じゃ、ご馳走様。」
「どういたしまして。」
にっと笑うと、先生も少し笑った。
さて今度はナルトだね。
私は、ナルトを抱き起こして帯紐を当てる。
次は、と背負う体勢に入ろうとすると、
「ほら、こっちに。」
先生がすっと背中を貸してくれた。
「カカシ先生、送ってくれるの?」
「まあね。」
さすがカカシ先生。やっさし〜。
こういうとこがあるから推したくなっちゃうんだよね。
「じゃあ、お願いします。」
私はナルトを先生の背中に預けると、手を伸ばして帯紐を先生へとくくりつけて後ろで縛った。