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もう一度、を叶えるために。first

第14章 暗部でのお仕事始めました





「疲れましたね…。」

「そうだね…。」

お店のカウンターで突っ伏す私達。
かなり邪魔よね…。
でも空腹が辛いのよ…。

帰りも帰りで、時間がない事もあり、弾丸ツアーよろしくどこによる事もなく、ほぼ休む事なく帰ってきたのですよ。
さすがに二日間兵糧丸は堪えるわけで。
空腹と眠気がピークなわけですよ。
その状態でやっと里に着いた頃には、夜もどっぷり更けて、開いてるお店はほぼ無い状況。
やってても、「すみません、閉店なんです。」と断られる始末。
そんな中、辿り着いたのが閉店寸前の一楽だった。
時間が時間だけに客は一人もいない。
ついでに娘さんも閉店準備にかかってるそうで留守らしい。
ダメかと思ってたら、テウチさんのご厚意で一杯ずつ出してもらえる事に。
私達はぐったりとしながら、しなだれかかるようにそれぞれカウンター席へ着き、撃沈。
…の今ココ。

家に帰ろうかとも思ったんだけど、腹の虫が邪魔して眠れそうにない。
それが切なくて切なくて…。
一杯でも作ってもらえるのが本当にありがたい。

「二人とも任務帰りかい?ご苦労さん。」

カタン、カタン、と二つグラスが置かれた音がして、のろのろと顔を上げると、テウチさんが水を入れてくれていた。
私達は揃って水を受け取ると一気に飲み干す。
お、おいしい〜…。
カタン、とほぼ同時に空のグラスを置くと、また突っ伏した。
それをまたテウチさんが入れ直してくれる音を聞く。

「こりゃあ、相当疲れてるね。そんなとこ悪いけど、注文はどうする?」

そうでした。
まだ何の注文もしてないままだったわ。
え〜と…。

「…すみません、私はネギ塩で。カカシ先生どうします?」

「うーん、じゃあ俺はチャーシューで。」

「あいよ。」

苦笑しながら受けてくれたテウチさんは準備にかかった。
包丁や鍋の音をぼんやりと聞きながら、無の境地に浸る。
もう、お互い喋る気力もなく、二人でぼーっとしていた。

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