第14章 暗部でのお仕事始めました
「…私達、ここに来る意味なかったかもしれないですね…。」
あはは…、と乾いた笑いがついて出た。
だって…ねぇ?
もしかしたら岩隠れ側にアジトがあっても、化け物じみた体力でここまで追いつけてたかもしれないんだよ?
捜索範囲を絞ろうと思って見に来たのに。それも態々全速力で…。
けど、実は火の国全域が怪しいって事に気がついただけだったっていう…。
ははは、と力無い笑いが聞こえて下を見ると、こちらを見上げるカカシ先生と目が合う。
「お前はそうかもねぇ。俺は来た甲斐はあったけど。」
胡座をかいた膝の上に肩肘ついて少し意地悪そうに笑うカカシ先生に、ちょっとイラッとした。
「まぁ、そう怒らないでよ。全速力でここに来たから尾行を撒けたんだから。」
「尾行〜!?誰!?」
と叫んでから、あ、と心当たりが浮かんだ。
私を尾行しようなんて思考回路の奴なんて一人しかいないじゃんね。
「根、か。」
「多分そうだろうね。ま、でも尾行付きじゃ、この話はさすがに聞けなかったよね。そういう意味じゃ、ここまで来た甲斐はあったよ。」
「私は…ここまで来て、ただ言ったらいけない事を言っただけの日だった気がします…。」
私も何だか力が抜けてきて、カカシ先生の隣に座り込んだ。
「アジトが見つかれば、ワンチャンあるかと思ったんだけどなぁ…。」
見つけるのは至難の業だぞ、これ。