第3章 私が今、出来る事
あと少しで家に着くって時、
「グオオオオオオォォォ!!!」
突然の咆哮と共に巨大な狐が現れた。
「九尾…!」
兄ちゃんの呟きを呆然としながら耳に入れる。
「うそ…。」
そんな…。
今日…だったの…?
九尾は辺りを見回してから、一点を見るといきなり尾獣玉を放った。
だが、それは近くで爆発する事なく、向こう側の森の方で爆発する。
怖気が走った。
普通に怖い。
怖すぎる。
「エニシ!帰るぞ!」
兄ちゃんに体を揺すられ、我に帰る。
走り出した兄ちゃんに遅れを取るまいと私も駆け出した。
「あぁ、良かった!エニシ!無事だったのね!」
玄関前で母さんが待っていた。
「ごめん、遅くなって!クナイホルダー取ってくる!」
私が家に駆け込もうとすると、腕を取られた。
「ここよ!」
そう言って母さんは、私のクナイホルダーを差し出した。
「父さんは!?」
兄ちゃんが母さんに詰め寄った。
「警務に出ているわ。それより逃げるわよ!」
私達は頷いて駆け出した。