第14章 暗部でのお仕事始めました
地図上で見ると、一見近そうに見えるそこは、実はかなり遠かった事がよく分かった。
ぶっちぎりのハイスピードで行こうと思っても全く着きやしない。
結局一昼夜かけて、しかも途中で二回くらい休みを挟んでの弾丸行軍となった。
当然、着いた頃には私はヘロヘロで…。
「ぎ、ぎぶ…。」
堪らず、ぐでんと仰向けにひっくり返った。
雨雲が隙間なく埋め尽くす空は、当然ながらドヨンとしていて、今にも降り出しそう。
カカシ先生を見上げると、さすがに疲労が色濃く見える。
「ま、よく頑張った方だよ。ほぼ国を跨いだような距離だからね。」
そうなのです。
土の国から、雷の国に程近い水の国に移動しましたのよ、私達。
うん、これで岩隠れ側にはアジトは無いと見る。
でなければ、オビトはここまで追いつけなかったでしょ。追いつけたら化け物よ?
息が整った私は、のそのそっと起き上がった。
見渡してみると、岩と水辺と川と水溜りと…。
「ここら辺って水辺ばっかりですね。」
草木の類が全くと言っていいほど見当たらない。偶に申し訳程度に緑が見えるくらい。
「まぁね…。水の国はどこもこんなもんでしょ。」
「そうなんだ…。」
一度見ただけの記憶だと自信がないんだけど…。アニメでは、マダラからリンさんの事を聞いたオビトは、洞窟っぽい所を抜け出して森の中を走っていた様な気がする。
どこのタイミングでリンさんの事を聞いたのかは分からないんだけど、洞窟を抜け出してからここに辿り着くまでずっと夜だった気がするのね。
ぶっ続けで走ったと仮定して。
凡そ六時間前後が夜間としてカウントできるタイムリミットだとすると…。
「今度は何を考え込んでるのよ?」
カカシ先生から声をかけられて、一人の世界に入ってた事に気がついた。
「うーんと…。」
どこまで話したらいいのやら?
「ここまで連れてきたんだから、種明かしくらいは聞きたいんだけど?」
ですよねー。
分かりますよ、分かります。
でもですよ!そのまま話したらマズイ事くらいバカな私でも分かるのですよ!