第14章 暗部でのお仕事始めました
「…チャクラで探ってるのか?」
「はい…。チャクラで感覚が分かるのは、私だけらしいんですが…。」
カカシの問いに、エニシはぼそぼそと話す。
集中しているためだろう。
暫くして、エニシのチャクラはするすると縮む様に地表に上がってきた。
全てを回収し終わると、彼女はどさっと尻餅をつく様にして後ろにひっくり返った。
「あ〜疲れた…。」
エニシの息が整うのを待って、カカシは上から彼女を覗き込む。
「で、何か見つかったの?」
この問いに、エニシは首を振った。
「全く。綺麗に何もありませんでした。」
この答えに、カカシは眉を顰めた。
「…骨すらも、何も?」
その問いに、エニシは言葉にする迷いを見せながらも、ぎこちなく頷く。
「はい…。少しの空洞があった以外は何も。石すらもありませんでした。」
カカシは腕を組んで考え出した。
オビトが亡くなってから凡そ十年。
この期間で人骨が綺麗に土に還るなどあり得るのだろうか。
人骨は、土に還るまで百年単位を要する。場合によっては、何千年、何万年と還らず残ることもある。
それが十年で綺麗に無くなるなど、考えられないのではないだろうか。
或いは、エニシが探ったポイントが遺骨のある場所ではなかったのか…。
だが、カカシが見ても記憶の場所と探ったポイントは合致しているように思える。