第14章 暗部でのお仕事始めました
任務が終わり、兄ちゃんと夕顔さんを見送る私達。
ここからどう切り出したらいいのやら…。
「で、どこに行きたいのよ。」
…気まずい。
でもここは腹を括るしかない…。
「その…、カカシ先生の目を、くれた人の…所に…。」
…やっぱりそんな顔になるよね。
嫌がるだろうことは重々承知です…はい…。
「…何故だ?」
「言えないです…。まだ結論が出てないから…。」
「…“死んだと思われていた者が実は生きていて、九尾事件を引き起こしたと想定します”。…それがオビトだって言いたいのか。」
「何で…。」
「お前が撒いたビラだろ。」
まさかカカシ先生が、演説で撒いたビラを読んでたとは思ってもみなかった。
「はい…。私は、そう思っています…。」
嫌だよね…。
友達があんな大それた事したなんて信じられないよね…。
「…オビトじゃない。オビトは確かに…目の前で死んだ。」
先生は苦しげに隠された写輪眼へ手を重ねる。
「すみません…。私はそれを自分の目で確かめたいんです…。」
本当に先生の見た通りなら、そこに遺体があるはず。
ぼんやりとしか思い出せないけど、岩がガラガラと降ってくる中で、オビトを置いて二人は脱出してる。
逆を言えば、息絶える最後の瞬間を二人は見届けていない。
「…もし、彼が生きていて…、リンさんの最期を知ってるんだとしたら…?」
私が小さな声で言った言葉に、先生の片目が大きく見開かれた。
「何で…、お前…。」
「ごめんなさい…。」
これ以上は言えないです。
私は先生の目を見てられなくて俯いた。
だって、凄く傷ついてる。
今にも血が吹き出しそうな傷を、先生はきっと隠して抱えているから。