第14章 暗部でのお仕事始めました
その後も警備をしたり、国境沿いの罠の点検をしたり、炊き出しの手伝いをしたりと、恙無く日々が過ぎていく。
炊き出しの手伝いは面白かったなぁ。
みんなで野菜切ったりしてたんだけど、予想通りというか何というか。カカシ先生の手際がお見事だった。
思わず「オカンだ!」と言ったら、お気に召さなかったらしく痛いデコピンが返ってきたけど、みんなでわいわいするのは楽しかったんだよね。
そんなこんなで、あっという間に最終日。
最終確認を兼ねた引き継ぎ兼打ち合わせに行ったカカシ先生を待ってるんだけど…。
「やけに長くないですか?」
夕顔さんに聞いてみると、あぁ、と少し困った顔になった。
「ここの近くにね、カカシさんの友達が戦死した場所があるの。」
友達?戦死って…。
「カカシさんの写輪眼をくれた人、ですか?」
聞き返すと、ますます困ったようになってしまう。
「…知ってたのね。カカシさんは形見だって言ってたわ。」
奪い取ったのでは?って噂があったんだよね。
もちろんデマだって知ってる。
「そうですか…。」
この近く、か。
「どれくらい近いんですか?」
「そうね、向こう側の国境近くで、ここから500mもないんじゃないかしら。」
「そうなんですね…。」
行ってみるか?
僅かでも手がかりが残っていれば…ううん、残ってなくても何か気付くことがあるかも…。
出来れば兄ちゃんも一緒に行ってもらいたいけど、二人で今から別行動なんて出来るのかな。
「あの…すみません、私ちょっと行きたい所があるんで、ここで抜けてもいいですか?」
私は夕顔さんを見上げると、彼女は怪訝そうに顔を少し曇らせた。